2023-07-17から1日間の記事一覧

「キサー・ゴータミーの話」 苦しいのは自分だけではない

キサー・ゴータミーが結婚して、玉のような男子を産みました。 子供はまるまる太ってたえず微笑んでいます。 キサー・ゴータミーは、その子をかわいがって命より大切に育てます。 やがて子供が立ち上がり、よちよち歩くようになった頃、突然死んでしまいまし…

「渋柿の渋がそのまま甘みかな」 苦しみや悲しみが強さや優しさになる

「渋柿の渋がそのまま甘みかな」 江戸時代の俳人 小林一茶 渋みとは、『苦しみ』や『悲しみ』。 そういうものがあるからこそ私たちは強く、優しくなれるのではないか。 渋柿が渋いのは、シブオールというタンニンが含まれているからです。 シブオールは水溶…

「三尺三寸箸」 地獄と極楽の違いは心掛け。

昔、ある所に、地獄と極楽の見学に出掛けた男がいました。 最初に、地獄へ行ってみると、そこはちょうど昼食の時間でした。 食卓の両側には、罪人たちが、ずらりと並んでいます。 「地獄のことだから、きっと粗末な食事に違いない」と思ってテーブルの上を見…

「智慧あるものに怒りなし」 怒りは受け取らなければいい

お釈迦様とある若者とのやり取りにこんな話があります。 あるとき、異教徒の若い男がお釈迦様の所にきて、さんざん、悪口を言った。 黙って聞いておられた釈尊は、彼が言い終わると、静かにたずねられた。 釈尊:「おまえは、祝日に、肉親や親類の人たちを、…

100年後にはお互いにこの世を去っている 【皆しばらくのご縁】

室町時代の僧侶、夢想国師(むそうこくし)のお話です。 夢想国師が弟子を連れて天龍川にさしかかった時、渡し舟に乗り込むと間もなく、酒に酔った一人の武士が乱暴に乗り込んで船中で暴れだした。乗客はみな迷惑したが、こわいので黙っていた。 夢想国師は…

「他者評価を気にしないナポレオン」 他者評価は都合によってコロコロ変わる

フランスの英雄ナポレオンが、民衆を前にして喝采を受けている時、部下が「閣下、あの民衆の称賛をごらんください!」と言いました。 すると、ナポレオンは、「民衆の称賛ほど当てにならぬものはない。ひとたび戦争に負けると、私を断頭台に送れと言う」と言…

「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」親鸞聖人 【自分も何をしでかすか分からない】

「自分は絶対にあのようなひどいことはしない」と言い切れない。 「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」 (「そうなるべき縁がもよおすならば、どのような振る舞いでもしてしまうのがわたしです」)と親鸞聖人は仰いました。 この言葉は、…

なぜ怒ってはいけないのか? 「謗るまじたとえ咎ある人なれど我が過ちはそれに勝れり」

責めることができるのは、自分は善人だと思っているから。 善人は悪人を責めてもいいと思っているから、悪いことをした人を責めるのです。 でも、この歌は、そうやって悪いことをした人を見て責める人に対して、たとえ相手が罪を犯したものであっても、怒っ…