「小さな花」許すことで相手は改心する。

 ある寒い日、震えている老人がパンを1斤盗んだ罪で告白され、ラ・ガーディア判事のめに連れてこられた。

 

家族がひもじい思いをしているのだと老人は弁明したが、ラ・ガーティアは「わたしはあなたを罰しなければならない」と言った。「法律に例外はない。10ドルの罰金を言い渡すしかないのだ」

 

 しかし、小さな花というあだ名でしたれているラ・ガーディアは、ポケットに手を入れてこう付け加えた。

「ここに10ドルあるから罰金を払いなさい。これでよしとしよう」。

そして、その10ドル札を自分の有名なソンブレロ帽に放った。

「それから、市民が食べていくためにパンを盗まなければならないような町の住民であるという理由で、この法廷にいる者全員に50セントの罰金を申しつける。廷吏、罰金を集めて、被告人に渡しなさい!」

 

 帽子が法廷でまわされた。老人は、とても信じられないという顔をしていたが、やがて目に幸せそうな光を浮かべると、47ドル50セントを胸に法廷を出ていった。

リンカーンのように立ち、チャーチルのように語れ 聞く者の魂を揺さぶるスピーチテクニック21参照