一人ではない。先祖が見守ってくれている。

 コロンビア大学のルー・リトルは、アメリカン・フットボールの偉大な監督のひとりだった。終戦後にコロンビア大学の学長となったアイゼンハワーも、彼を偉大なリーダーのひとりとして認めている。

 

 コロンビアにくるまえ、リトルはジョージタウンで監督をしていた。1928年、そのチームにはデニス・フラハーティという補欠選手がいて、毎日午後になると年配の男性と練習をしていた。

 

 最大のライバルチーム、ホリー・クロスとの試合当日、フラハーティはこう尋ねた。

「監督、きょうのゲームでは先発メンバーに入れますか?」

 リトルは答えた。「きもは身体が小さすぎるんだ。きみが一生懸命に練習していることは知っている。だから、重要じゃない試合のときに終盤で使っているんだ」

「監督、お願いです。やるべきことがきちんとできなかったら、最初の5分で代えてもらってかまいませんから」

 

 結局、リトル監督は彼を先発で使い、最後まで交代させなかった。フラハーティはキックを防ぎ、クォーターバックに2度タックルし、パスを奪い、タッチダウンまでしました。試合後、リトルは言った。「フラハーティ、なぜ自分がここまでできるとわかったんだ?」

「リトル監督、毎日一緒に練習していたのは父なのです」

「そうだろうと思っていたよ」

「父は目が見えませんでした」。フラハーティは説明した。

「そして昨夜、心臓発作で亡くなりました。だから、父はきょう初めて、ぼくがプレーするのを見たと思うのです」

リンカーンのように立ち、チャーチルのように語れ 聞く者の魂を揺さぶるスピーチテクニック21参照

 

私たちの先祖も私たちを見守っています。